クライアント企業の課題を明らかにし、改善方法の提案や改善支援などを行うコンサルティング企業。その領域や、対象とする業種は多岐にわたり、各々が掲げる特徴や独自性もさまざまだ。株式会社YZ Partnersを率いる若きリーダー・張益銘氏は、自身こそが企業としての強みであり、これからの時代にますます需要が高まるであろう領域で活躍することを約束している。「クライアントの期待に100%以上で応え、持続可能な企業を増やしたい」と語る同氏に話を聞いた。
クライアントの期待に100%以上で応える
●波長が合う人と仕事をすれば、いい結果を残せる
張氏は大学院卒業後、自身が成長できることを理由に大手外資コンサルティング企業に就職。マネージングディレクターになることを目標に掲げ、社内基幹システムの導入、最新のDX研修の導入・展開などのプロジェクトに参画し、経験を積んできた。そんな会社員時代を「人間関係には恵まれていた」と振り返るが、必ずしも望む業務に就いたり、波長が合う人と仕事をできたりするわけではなかった。「プライベートにおける人脈が広かったことから、『この仕事であれば、あの人と一緒にした方が成果が出そうだな』と、友人・知人の顔を思い浮かべることが多くなりました。せっかくだから、楽しめる人と一緒に仕事をしたいと思ったんですね」と起業の理由を語った。
挑戦心もあり、2023年に株式会社YZ Partnersを創業。現在は、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、マネジメントの領域におけるコンサルティングを主軸とし、WEBサイト制作、教育・コーチング、案件紹介といった事業を展開している。
●「人財」と国際感覚で未来を切り開く
「当社の特異性は私自身です」と自信を持って言い切る通り、張氏の人脈は同社の事業において欠かせないものだ。一人社長という会社の規模に対し、事業の数が多いことを不思議がるクライアントもいるという。「もちろん、私一人ではできることが限られます。しかし、一緒に仕事をしてくれるパートナーたちのおかげで、私に足りないものを補うことができ、複数の事業を展開することができています。そういった意味では、パートナーは『人材』ではなく、『人財』です」と語る。
海外経験や語学力も彼の強みであり、日本語以外に中国語と英語を話せるトリリンガル。グローバル社会において、語学力が大切であることには間違いないが、「クライアント企業やパートナーの話す言語を使用したからといって、話が上手くまとまるとは限りません。それよりも、相手にどういった背景や文化があるかを理解することが重要です」と主張。中国にルーツを持ち、日本を客観視できることが、折衝における強みにもつながっている。
●持続可能な社会を実現するためには変化が必要
張氏は、同社は大きく2つの事業により、持続可能な社会の実現に貢献できると主張する。その1つが、コンサルティングや教育・コーチングを通じて企業を「健康」にすることだ。考え方が凝り固まったマネジメント層が業務上のボトルネックになっていることが多いといい、その層をターゲットの1つに据えている。教育・コーチングにおいては、テンプレートのような改善策を押し付けず、丁寧にヒアリングを実施。その企業と人に合ったロードマップを作成し、一気通貫で実施している。「マネジメント層が変われば企業が健全になり、働く人のストレスがなくなり、事業を継続することができます。ですから、人の意識を変えることは重要です」と強調する。
もう1つが、GX(グリーントランスフォーメーション)だ。従来のカーボンニュートラルとは異なり、使用する際だけでなく、開発の工程においても環境負担を限りなくゼロに近づけるものだ。同氏は学生時代に環境情報学を学び、気温上昇によるエネルギー消費、健康への影響を数値化する研究をしてきた。実務的な知識と経験、そして経営の両面に長けていることは武器になると同氏は考えている。
「私はクライアント企業の期待に応えたいと強く思っています。100%以上の結果を残し、持続可能な企業を増やすことで、未来はより良いものになるでしょう」と語る。そして、そのために重きを置くのは、やはり「とにかく人を大切にすること」だという。「私の事業を支えてくれる人がいるからこそ、顧客の期待を超えることができます。会社は人の集合体です。モノ、カネや情報も会社を構成する一部ではありますが、結局のところ、それらを運用するのは人です。ですから、私が掲げる目標に向かって共に歩みを進めてくれる人を思いやることを重視しています」
もちろん、企業規模の拡大という目標を掲げることも忘れていない。2028年には年商10億、社員数30人、中国と米国における拠点の設置を目指している。「シンプルに売り上げを立てる、利益を生む、それを投資に使う、売り上げをベースに信用力を創出する。このサイクルをスピーディーに行う。事業内容に関しては、私の能力と人脈が及ぶ限り、多角的に広げていきたいですね」と締めくくった。