人生をどうにかして変えたい。自分の人生、自分の納得のいく道を進んでいきたい。そうした人に向け、コーチングやコンサルティングサービスを提供している耀稀大晶氏。会社員時代に味わった「自分は社会のごみなのではないか」という感覚と、「どんな人にも何かの才能があるはずだ」と信じてきた気持ちを抱えながら生きてきたという。同じように悩んでいる人たちにも、ぜひ人生の花を開かせてほしいと願う耀稀氏。その波乱万丈な半生と目指す先について聞いた。


コーチングで人生を好転させる手伝いをしたい


●起業講座に触発されたのがすべての始まりだった
現在、コーチングコンサル業やコーチ養成講座を手掛けている耀稀大晶氏だが、生まれ育ったのは会社員の父と主婦の母という当時の一般的な家庭で、アーティストを夢見てはいたものの、起業思考はない子ども時代を送ったという。
そんな耀稀氏の転機となったのは、新卒で入社した大手アパレルメーカーから転職したころのことだ。前職では倉庫作業など肉体労働が多かったことから、「ホワイトカラーに憧れて」経理の仕事を選んだところ、会社にも業務内容にもまったくなじむことができず、ついには心を病んでしまったのだ。
そんな耀稀氏の元に舞い込んだのが、ネットワークビジネスの話だった。本業の収入がそれほど高くなかったこともあり、「不安感より魅力が上回った」。寝る間も惜しんで2年ほど働いたが、なかなか思うような成果は出せなかった。そこに再び、次の誘いがやってくる。次にきたのは自己啓発プログラムだった。そこで自己啓発プログラムの販売に誘われた耀稀氏。ここでもやはり大きな成果は上げられなかった。しかし、ここで受けた起業講座に触発されたことで、起業へと舵を切ることになったのだった。
●起業後の生活は文字通り波乱万丈だった
2014年3月、オペラやミュージカル経験があり、声の研究もしていたことから、「VLP(ボーカルライフプランナー)」としてボイストレーニング事業を手掛ける会社を起業した。ここまでの活動は副業として行われたが、起業を大々的にFacebookで告知したことで、耀稀氏は会社から起業2ヵ月目に呼び出されることになる。実はその会社は副業禁止だったのだ。
退職か、起業した会社を諦めるか。2択に迫られ、退職を選んだ。しかし、「月曜日に出社しなくていい開放感と、今後の不安や恐怖がない交ぜになり、2週間ほどは何も手に付かなかった」。
ただ、給料はもう入ってこない。貯金もなかった。このままでは家賃が支払えなくなる。そこからの行動は早かった。1カ月で90もの交流会に参加し、Facebookの友達が1000人に。イベントでサービスを打ち出せたこともあり、100万、130万と大きな売上を叩き出せたのだ。しかし、人生はそう順風満帆にはいかない。若気の至りでタワーマンションに引っ越した直後、月の売上は4万円にダウン。数か月後には親に土下座して実家に舞い戻るという急転直下を経験したのだ。




●普遍的な人生の方程式に、やっと出会えた
起死回生をすべく、社団法人を立ち上げたりバーを経営してみたりと紆余曲折を経た耀稀氏が出会ったのが、今の仕事となるコンサルティングセミナーだった。自身でコンサルティングを受け、「これだ!」と思った耀稀氏は、なけなしの資金を投じてコンサルタント塾に通い始め、同時に独学でも学びを深めながら、自身のコンサルティングサービスを立ち上げる。「詐欺師になるわけにはいきませんから、必死に勉強しながらお客様に営業し、サービスを提供していました。生きるためにも必死でしたね。2度とあの会社員生活には戻りたくないという一心でした」。
得られた収入のうち、一部は自己投資に回し、ビジネスの知見も深めることで、さらに事業は成長。自身が受講したWebマーケティング塾に依頼されてコンサルタントとしてセッションを担当したことも飛躍につながった。
学ぶ中で耀稀氏が行き着いたのが、2500年前から伝わる陰陽五行と帝王学だ。「思えば、人生が変わる方程式を探し続けてきたんだなと思いました。今の師匠と出会い、伝統学問に触れたことで、普遍的な方程式を見つけられたと感じています」。
「才能という言葉にずっと惹かれてきた」と耀稀氏は言う。大好きなスラムダンクに出てくる天才キャラ・流川楓のように、努力が開花していくスマートなキャラクターに魅了されてきた。そんな耀稀氏が大切にしている言葉が、「開かずに終わるのか、開いて終わるのか」だ。せっかくの人生、花開かせて終わりたい。できることなら、他の人もそうであってほしいという。
そんな耀稀氏には、次なる夢がある。それは、名実ともにアーティストとして生きることだ。「感性感覚を生かして生きることにしか興味がなく、アーティスティックに生きてきたと自負しています。ここからは、世界を変えられるような歌を作って、自分で歌うというアーティストとしての活動にも挑戦したい。実は、中学生のころから抱き続けてきた夢なんです」。今は人生の第2楽章だと語る耀稀氏。いつか人生が終わるときに悔いることなく逝けるよう、命のポテンシャルを最大限に生かす背中を周囲に見せ続けていく。