[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

「美容は科学」という信念のもとバイオテクノロジーで豊かな未来を目指す

FUTURE GENE TECHNOLOGIES株式会社
代表取締役
富永豊盛
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「エンドユーザーの皆さんも、事業主の方も、私たちの社員も、かかわるすべての人にプラスとなる事業をしたい」。FUTURE GENE TECHNOLOGIESの富永豊盛代表は、これまでの経験で得たその揺るがぬ信念を、常に意識して経営に取り組んでいる。富永代表が歩んできた道は、子どものころから周囲の同世代とは異なっていた。父親が建設業を営み、母親が飲食店を経営している両親の背中を見て育ち、親類にもほとんどサラリーマンがいない家系だった。

インターネットを駆使してニッチ市場で大成功

中学生だった14歳の時に、早くも携帯電話のデコレーションをするビジネスを始め、「インターネットを使ったサービスなので、コストもあまりかからず利益が出て、商売をすることの面白さを覚えました」と話す。やがて、同様のサービスをする人が増えると価格競争になり、より差別化できるビジネスはないかと模索。高校生になった富永代表は、秋葉原で偶然目にした音響用の特殊なケーブルが、非常にニッチな市場ながら、手作り製品のため高額で取引されていることを知り早速参入した。狙いは的中して大ヒットし、友人をアルバイトに雇うほど注文が入って桁違いの利益を手中にした。さらに、自動車のスピードメーターを、LEDを使ってカラフルな色に加工するビジネスを始め、これも大きな利益を上げることになった。しかし、気がつけば周りに集まるのはお金が目当ての人間ばかりとなり、富永代表自身も「言葉は悪いですが、人を道具のような感覚で使うようになっていて、次第に売上が落ちて商売がうまくいかなくなり事業をたたむと、仕事も友人もすべて失いました」と振り返る。

世の中のためになる人間になる

富永代表にとって、これが自分を見つめ直す人生の大きなターニングポイントとなった。「もし自分が死んでも誰もありがとうと言ってくれないだろう。そのことに気づくと、人に感謝されるような人間に生まれ変わりたいと強く思うようになりました。そして、今までの自分の考えを反省し、これまで支えてくれた人に感謝の気持ちが生まれ、世の中のためになる人間になろうと決めて、収入の一部を社会貢献に使うという自分のルールを決めたのです」と述懐する。そのために、富永代表はより長く続けられ、将来性もあって、人の役に立つビジネスはないかと考えるようになった。そうしたなか、人の遺伝情報である「ヒトゲノム」が完全解読されたというニュースに触れてバイオテクノロジーに大きな可能性を感じた富永代表は、独学で遺伝子の勉強を開始。そして2008年、遺伝子に関する画期的な技術がアメリカの研究所で開発されたという記事を科学雑誌で知ると、すぐに渡米してその研究所を訪ねたのである。

美容業界から社会貢献を

「それは、人間の細胞は生まれ変わる時に遺伝子をコピーする。しかしそのコピーする力が落ちると老化現象が起こる。ところが、さまざまな成分を組み合わせると完全なコピーが可能になるというものでした。この技術が確立されてくれば、理論上は若さを保てることになります。そうした展望を聞いて、すごい時代が来ると思い、技術が進んだら事業としてぜひかかわりたいと思いました」と話す。帰国した富永代表は、第5次産業革命を担うともいわれるバイオテクノロジーへの興味がさらに高まり、ビジネスとして美容業界に興味を持つようになった。それは、「IT業界のように美容業界にも革命が起き、人類の夢である若さを保つことが実現できれば、きっと世の中のためになる」という思いであった。こうして、遺伝子にかかわるバイオテクノロジーの技術が進展するのを見極め、ビジネスとしての将来性が高まってきたと実感した富永代表は、2020年にFUTURE GENE TECHNOLOGIESを創業。まずは、海外から輸入した高性能の美容機器をエステサロンに提供し、経営面でのコンサルティングを行う事業をスタートした。

ただし、美容業界は、世の中のためになりたいという富永代表の思いとは裏腹に、価格競争が行われており、その弊害として安価で性能の低い美容機器を使い、エンドユーザーも効果を実感できないという状況が多く見られていた。「そこで私たちは、もともと医療機器を作っているメーカーの科学に基づいた美容機器をエステサロンに提供することで、施術を受けたお客様の満足度が上がり、リピート率が高まってサロンの経営に貢献できることを目指しました」という。担当するサロンの売上が上がれば、社員の評価に反映される仕組みになっており、しかも売上の一部は自動的に子ども食堂や環境保全などの社会貢献に使われ、また、社員が家族でレクリエーションなどが楽しめる福利厚生にも使われるようになっている点も特徴だ。美容業界では、ともすればマーケティング戦略上、魔法のような言葉も使われるが、富永代表は「美容は魔法ではなく科学」と明言。その信念のもと、科学的根拠のあるものにさまざまな最先端のテクノロジーを組み合わせ、「革新的な製品の提供で、世の中に貢献していきたい」と熱く語る。

富永豊盛

RECORD

FUTURE GENE TECHNOLOGIES株式会社
代表取締役富永豊盛
1986年2月18日、千葉県出身。14歳でネットショップを起業する。2011年に前職に入社。2020年、より良い世界を作りたいとの想いからFUTURE GENE TECHNOLOGIES株式会社を創業。会社としての取り組みとしては、美容機器及びコンサルティングサービスの提供。バイオテクノロジーを使い、次世代の未来に向けて新たなカタチを創造している。