[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

誰もがポテンシャルを最大限発揮できるプログラムの提供で社会問題の解決に寄与する

株式会社ブリッジインターナショナル
創業CEO
小熊弥生
OGUMA_YAYOI

持続可能な社会という言葉を知らない人は、もはやほとんど存在しないだろう。世界規模で多くの企業や個人が自身の立場から、現世代の要求を満たしつつ、次世代の安定した暮らしにつなぐためにさまざまな取り組みを行っている。通訳・翻訳エージェント、英語教育・通訳育成プログラム、女性起業家の支援・育成プログラムを提供している株式会社ブリッジインターナショナルもそんな企業の一つだ。「共有し合うことによって、地球全体の最適化を図っていきたい」と話す小熊弥生創業CEOに、起業の理由、事業の特徴、今後の展開について聞いた。

米大統領など著名な世界的リーダーを導く世界No.1コーチの通訳が転機に

今から約30年前、短期大学を卒業した女性は、いわゆるOLになるのが王道だった。ところが、小熊弥生氏は整理整頓が苦手でOLには向いていないと思ったことから、英語の通訳者の道を選んだ。寝る間も惜しんで勉強と仕事に励み、280点からスタートしたTOEICのスコアが950点に到達したのを機に、いよいよ通訳学校に通い始めることになる。通常10年はかかると言われている同時通訳者に英語を学び始めてわずか3年でなり、以来、政治家や著名人、世界中の幅広い分野の企業の技術部門や幹部育成の通訳に携わってきた。

転機は2014年に訪れた。世界No.1コーチと呼ばれ、自身も敬愛するトニー・ロビンズ氏の来日講演で、同時通訳を担当していた彼女は、6,000人という参加者が同時に感動しているのを見ながら、「どうすればこれほど多くの人を集められるのだろうか」と興味を持った。それを学ぶために講演の開催を学ぶセミナーに参加。そこで「セミナー事業はお金儲けではなく社会貢献という言葉を聞き、『私にしかできない社会貢献は何だろう』と問いかけたのが、講師業を始めるきっかけになりました」と語った。

自分にしかできない社会貢献を行いたい

通訳者は帰国子女、インターナショナルスクールの卒業者、大学で英文科を卒業した人などが多くを占める。彼女のように英語力ゼロからたったの3年で通訳者になることは難しい。「私以上に通訳ができる方はごまんといます。だから私が持っているノウハウを伝えることのほうが社会貢献につながると思ったのです」と当時を振り返った。

トライアルで提供したセミナーが大成功を収めたことを機に、2016年に株式会社ブリッジインターナショナルを設立。「幅広い業界の幹部育成の通訳に携わっていたため、そのノウハウが自然と身に付いていました。それを横串にし、人間が最短で最大の力を発揮することができるプログラムを提供しています」と語るとおり、通訳者になるまでのプロセスを、一般的に必要とされる3年から半年に短縮。単に英語を座学で学ぶのではなく、脳科学に基づいて思考を整理し、セルフトーク(自己対話)を最適化することでポテンシャルを発揮できるというものだ。受講生の100%が通訳デビューするという驚愕な成果を出しているという。

女性起業家の育成、支援を通じて社会問題の解決に寄与したい

もし、日本人が英語教育にかける時間とお金を最小限にできたとしたらどうなるのだろうか。TOEICの高スコア取得のために使われていた若者の時間が、家族や友人と過ごすために使われるようになったら、心の安寧につながるだろう。空いた時間と浮いたお金を別のことに使えて、国力の強化につながるかもしれない。「次第に自分のビジネスで社会問題を解決するという明確な意識を持つようになっていました」と話すとおり、その意識が女性起業家の育成と支援のビジネスにもつながっていった。

2020年、新型コロナウイルスの影響を受けた女性の起業家や経済的な問題を抱えた女性に向けて、オンラインで無料のコンサルティングを行った。すると、相談者の状況が次々と改善されたという。そこで、英語教育・通訳育成プログラムで提供しているものだけではなく、ノウハウすべてを一つにまとめ、起業家になるためのマインドを学ぶ講座を開設した。女性が他人に依存することなく、自分自身で経済的な安定と豊かさを得られることが小熊氏の心からの願いだ。

今後の目標は、戦わないビジネスモデルを究極化し、世界平和をかなえることだ。市場経済は多くの人間のポテンシャルを制約することで成り立っていて、その制約は自己否定のようでもあるというのが小熊氏の考えだ。例えば、発展前のシリコンバレーが、ライバル企業に所属する者同士であっても、プライベートで情報を交換し合って互いに高め合っていったように、一人一人がポテンシャルを開放し、奪い合うのではなく、ノウハウを共有し合うことでシナジー効果を作り出す。消耗するだけの競争によるあつれきや不協和音を取り除くことができれば、多くの人の心に安寧が訪れるかもしれない。小さなコミュニティからでもいいから実行し、それを世界規模まで拡大し、貧困撲滅を目指すというのが小熊氏の描く世界平和だ。「私のノウハウを一人で抱えて天に召されても、世界のためには何の意味もなしません。ですから、このノウハウを生きている間にどこまで伝えられるかというのが私の挑戦です」と意気込みを見せた。

小熊弥生

RECORD

株式会社ブリッジインターナショナル
創業CEO小熊弥生
東京都出身。短大卒業後、英語力ゼロから3年で同時通訳者になる。世界の成功者1万人以上を同時通訳を通して「成功者の共通法則」を発見し、世界初の「戦わないビジネスで、誰もが楽に億を稼ぐメソッド」を開発。英語教育、通訳者育成、女性起業家育成プログラムなど、独自のメソッドを盛り込んだ講座を開設。中でも起業講座は開講1年で口コミだけで1万人が受講し、自分には稼ぐ才能や経験がないと思っていた女性たちが経済的自立を果たしている。地上80億人のポテンシャルを解放し、愛を中心とした経済を通して日本と世界の貧困撲滅および世界平和に向けて活動中。