[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

一人一人が最高の力で協力し合い争いがなく夢や目標を持てる社会へ

株式会社ONE'S BEST
代表取締役
根本晴人
NEMOTO_HARUHITO

次世代型組織体系を強みとする株式会社ONE'SBEST(ワンズベスト)の社名の「ワンズベスト」は「一人一人の最高の力」を意味する。代表取締役の根本晴人氏は、その社名に「その人だけが持っている花を咲かせた人たちの集合体」という意味を込めたという。

プロが助け合う”円形のビジネスモデル”

現在、16期となるワンズベストを根本代表が設立したのは2007年。その前に行っていた保険代理業のビジネスで、人を蹴落としてでも自分がのし上がろうとする人たちを見続けるうち、根本代表は心身の健康に支障をきたして2年間の療養生活を送った。そうした経験から生まれたのが、ピラミッド型の組織ではなく、さまざまな分野のプロが横につながって助け合い協力していく円形のビジネスモデルで、その思いを社名に託したのだ。「助け合ったり協力し合ったりすることは、もともと私たちが大切にしてきた日本人の精神性だと思うのです。それが、資本主義の中で経済性を優先するあまり失われてきており、それを呼び戻したいというのが、円形の組織形態を思いついたきっかけです」。

そんなワンズベストが経営で重視しているのが、一般に経営資源といわれるヒト・モノ・カネに、時間・情報・アイデア・エンターテインメント・社会貢献を加えた8つ。その8つがそれぞれ事業部となって、法人向けの経営コンサルティング事業や個人向けのライフコンシェルジュ事業を展開している。具体的には、法人向けの経費削減や売上向上、従業員を活性化する福利厚生や業務の効率化などを通した経営支援サービス。一方、個人向けには家計費の削減や収入アップ、さらにライフスタイルの向上などを目指したサービスを提供している。

同社では、そうした業務を広く展開するため、ワンズベスト会員という4000人を超えるビジネスパートナーと連携。「士業や保険業などのパートナーが、それぞれの専門知識を生かす400種類ものサービスで、法人や個人の困りごとや悩みごとの解決に取り組んでいます」という。

また、それぞれのビジネスパートナーは、法人や個人をきめ細かくサポートする中で、自らの専門分野を超えた知見を身につけて幅を広げている。「それは〝副業〟ならぬ〝複業〟を生み出し、ビジネスパートナー自身の収入の柱を増やすことになっています」と話す根本代表。ビジネスパートナーは、顧客が継続してサービスを利用することで、収入の安定にもつなげている。ワンズベストでは、ともに顧客を支援するこのビジネスパートナーを、将来的には1万人規模に増やしたい考えだ。

困りごとの解決に
”あったらいいな”と思うサービス

さらにワンズベストは昨年、次なるステップとして株式会社ワンズポケットを設立。企業や個人の困りごとを解決するためのソリューションとして、ポータルマッチングサイト「ワンズポケット」をリリースした。「ちょうど、ドラえもんがポケットから道具を取り出してさまざまな悩みを解決することをイメージし、誕生日とされる9月3日にリリースしました。実は、私の誕生日でもあります」と根本代表は笑顔を見せる。

ワンズポケットは、日々の生活やビジネスなど、さまざまなシーンでの困りごとの解決に〝あったらいいな〟と思うサービスを手軽に利用できるプラットフォームとしてオープン。顧客は、無料でユーザー登録し、自身の困りごとの解決に合うサービスを検索して利用できる。「また、ワンズポケットは利用されるお客さまにきちんと役立つサービスを提供するため、他に抜きん出た強みがないと掲載できない審査制をとって、サービスのクオリティを保っています」と話す。

ユーザーにもメリットが用意されている。ワンズポケットには「Pポイント」という独自のポイントシステムがあり、ユーザー登録時にPポイントが自動的に付与される。さらに、他のユーザーを紹介した際にも双方にPポイントが付与される。ポイントは、今後さまざまな用途に使えるようになるという。

AIを活用しているのもワンズポケットの特徴だ。しかもそれは、よく言われる将来的に人間の仕事を奪うAIではなく、人間の仕事をサポートしてくれるAIだ。「例えば、相手に対する心配りは人間ならではの良さであり、一方、AIは計算や分析などが極めて得意です。そうした双方の良さを融合することで、AIがビジネスパートナーのサービス提供に力添えをしてくれるのです」。

争いのない世界をつくりたい

こうした多彩なアイデアの提供で注目を集めるワンズベスト。今後はホールディングス制にし、連携する会社を増やしていきたいと根本代表は今後を見据える。それにより、現在事業部として展開しているサービスを「ワンズカレッジ」「ワンズエンターテインメント」といった法人として提供できるようにしていく方針で、2050年までに1200社を目指すという。

その高いビジョンを掲げる背景には、事業を通してより多くの仲間を集め、世の中のため自分に何ができるかを一緒に考え、最終的に争いのない世界をつくっていきたいという熱い思いがある。「そのためにも、協力し合う、助け合う、分かち合うという精神を、多くの人に取り戻してほしいと思っています」。その目標に向け、根本代表は円形の組織が持つ価値を、これからも社会に示し続けていく。

会社自体が社会貢献を重要な事業と位置づけており、単に収益の一部を寄付するだけでなく、まず目の前にいる人のために何ができるかを考えるのが大切だと根本代表は話す。その一つとして現在計画しているのが、親のいない子どもたちのために施設をつくり、将来は一人一人の可能性にチャレンジさせてあげることだという。そして、人々の困りごとを解決するワンズポケットも社会貢献につながるものであり、さらにサービスを充実させていきたいと話す。

根本晴人

RECORD

株式会社ONE'S BEST
代表取締役根本晴人
大学在学中から起業を志し、個人事業主として数々の経験を積む。その活動の中で競争社会に強い矛盾を感じ心身の健康に支障をきたすが、その経験をプラスのアイデアに転換したビジネスモデルを創出。2007年に、次世代型組織体系を強みとする株式会社ONE'SBEST(ワンズベスト)を設立。22年には、企業や個人の困りごとを解決するポータルマッチングサイト「ワンズポケット」をリリースした。