[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

「お金がない」を理由にしなくていい世の中をつくる

株式会社アマブン
代表取締役
中城裕貴
NAKAJO_YUKI

資産形成や金融リテラシーにまつわる情報発信事業を手がける株式会社アマブン。いわゆる一人社長でありながら、設立10期目で年商5億円を突破。情報発信手段のメインとなっているメルマガは、4万人の読者数を抱えている。代表取締役の​​中城裕貴氏が最も重要視しているのが、お金を稼ぐのではなく、お金を守る方法だ。「お金がないことで、夢や挑戦を諦める子どもを減らしたい」と一貫して語る中城氏に、これまでの生い立ちや事業への想いを聞いた。

身をもって知った「お金を守る」大切さ

プログラマー兼システムエンジニアをファーストキャリアに選んだ中城氏。高速道路のETCシステムの構築などに携わったが、思うような収入は得られなかったという。「約5年間、ときには徹夜で働きましたが、手取りは16万円でした」と振り返る。身体的にも精神的にも限界を感じていた25歳のとき、当時の彼女だった現在の妻と結婚することになった。「結婚する際、妻から『最低でも子どもは3人ほしい』と言われたのです。妻の願いを叶えたい一方、手取り16万円で、どうやって3人も子どもを育てるのだろうと不安になりました」という中城氏は、生活を変えるために会社を退職した。

中城氏はフリーでシステムエンジニアを続けながら、当時流行していたアフィリエイトビジネスを開始。月収200万円ほどを稼げるようになる。しかし、今まで手にしたことのない大金だったため「調子に乗ってしまった」という中城氏は、なかなか貯金ができず、稼いでは使い果たすといったことを3〜4年繰り返した。その経験から得たのが「お金を守る」大切さだ。中城氏は現在メルマガやSNSで、火災保険を賢く利用するためのコツなど、お金を守る方法を積極的に発信している。

経済的に苦しむ子どもを一人でも減らしたい

現在6人の子どもを養い、幸せな家庭を築く中城氏だが、自身は複雑な家庭環境で育った。「バブルの崩壊で収入が激減し、父と母はお金の問題で殴り合い・怒鳴り合いの喧嘩をしていました」と話す中城氏。両親の不仲だけでなく、お金がないことによる周囲との差にも悩んだ。「友人が習い事をする姿を見て、私もやりたいと両親に頼みましたが、お金がないの一言で断念させられました」。幼少期の経験から中城氏は「経済的に困窮する家庭は令和の現代にもあり、私と同じように苦しむ子どもがいるはずです。そんな子どもを一人でも減らすことが、ビジネスの信念となっています。だからこそ親である大人たちに、お金を守る重要性を伝えています」と力説する。

幼少期のクリスマス、中城氏はサンタクロース宛てに、欲しいプレゼントを書いた手紙を枕元に置いていた。が、プレゼントが届くことはなかったという。父親となり、サンタクロース側になった今、クリスマスにはたくさんのプレゼントを子どもに送っている。「6人の子どもがいますが、プレゼントは6個以上用意しています。クリスマスツリーの下にずらっと並べて、ほしいものを選んでもらっていますね」と笑う中城氏。

お金はあくまで思い出づくりのためのツール

子ども時代の経験やアフィリエイトビジネスで得たスキルを武器に、お金を守ることなどの情報発信を続けた結果、中城氏のメルマガ読者数は4万人を超える。ただ、中城氏自身はお金への執着はないという。「お金を稼ぐだけでは増やせないことを身をもって体験したからこそ、多くの人にお金を守る大切さを伝えています。しかし、お金そのものが好きかと言われると、別にそうではありません。お金はあくまで、幸せに生きるためのツールです」と言い切る。

お金を稼ぐことが目的ではなく、より良い人生を送るためのツールとしてお金を稼ぐ──。では、中城氏が考えるより良い人生とは何なのか。そう尋ねると、中城氏は「楽しい思い出がたくさんあることが、より良い人生につながると思います」と答える。さらに「そういった意味で、私は家族との思い出づくりをとても大事にしています。最近も妻の希望で、家族みんなでハワイ旅行をしました。費用は決して安くはありませんでしたが、妻や子どもたちと楽しい時間を過ごすことの方が大事ですから」と笑みを見せる。

そして、中城氏が考える“楽しい思い出”は、AI時代を生き抜く力にもなり得るという。中城氏は「現在のAIは1を10にしたり、100にしたりすることは得意ですよね。ただ、0から1を生み出すことはまだ難しいとされています。ということは今後、0から1を生み出せる、クリエイティブ能力の高い人間が重宝されていくはずです。こうしたゼロイチの土台となるのが、それまでの経験や知識、つまりは思い出です」と力を込める。

山頂からの日の出の美しさに感動した朝、友人と笑い合いながらお酒を飲んだ夜…。AIがどれだけ進化したとしても、肌で感じた楽しい思い出は、その人だけのものだ。「こんな場所に行って、こんなことを感じたから、こんなことに挑戦してみよう。そうした思考は、AIにはないものだと思います。思い出はこの先とても重要になるからこそ、お金がないという理由で物事を諦める人を、一人でも減らしていきたいですね」。お金がもたらす幸せと不幸せの両方を知る中城氏だからこそできる情報発信に、これからも多くの人が救われていくだろう。

中城裕貴

RECORD

株式会社アマブン
代表取締役中城裕貴
IT専門学校卒業後、新卒でシステム開発会社に入社。プログラマー兼システムエンジニアとして約5年勤め、25歳で独立。フリーランスでシステムエンジニアを続けながら、アフィリエイトビジネスを開始。2015年に物販ビジネスをメイン事業とした株式会社アマブンを設立。現在はアフィリエイト(情報発信)ビジネスは個人事業主として継続しながら、株式会社アマブンを運営している。