[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

太陽光発電開発事業を通して社会を変える

株式会社CHANGEエネルギー
代表取締役
村瀬元気
MURASE _GENKI

太陽光発電所の開発、建設施工、仲介、コンサルティング業務を手掛ける株式会社CHANGEエネルギー。同社で代表取締役を務める村瀬元気氏は、22歳の時に大学を中退して飛び込んだ自然エネルギー業界で得た経験を生かして、2022年に同社を立ち上げ、自然エネルギーだけでなく保育などの事業も行っている。村瀬氏に太陽光発電事業の展望や、その背景にある、大学のボランティアなどを通して抱いた「社会を変えたい」という思いについて、話を聞いた。

世界を変えられる企業をめざして

村瀬氏は大学で英語を学ぶかたわら、子どもを対象としたスポーツボランティアに熱中していた。しかし22歳の時に大学を中退し、太陽光発電などの自然エネルギー事業を行う企業に入社。「ただ、学生時代とちょっと違うことをしてみよう、と思ったことがきっかけでした」という村瀬氏だったが、徐々にその仕事の面白さに気付く。

「以前勤めていた会社では、『世の中を変えられる』『よりよい日本になれる』と思っていたことを実現することができなかったため、起業して自らの責任のもと仕事をできる環境を求めていました」と村瀬氏は語る。「社名のように、日本を変えると同時に世界を変えられる企業になること」を目指している。

現在ドイツをはじめ、世界的に脱原発の動きがある。日本では現実的にはまだまだであるものの、自然エネルギーの価値は世界的に変わっているという村瀬氏。「そういったところでまず日本、そして世界を変えていければ、あるいはその一助になれたらという思いで起業しました」

自然エネルギーを通して多様性を考えてきた

ただ、太陽光発電所の開発には困難が伴う。まずは発電所を作る場所の確保、そして建設のために地域住民に納得していただく必要がある。戸別訪問を行い、一人一人を説得し、ようやく住民説明会を開催できるということもまれではない。また、発電所開発に伴う規制も厳しいため、自治体担当者との折衝も重要だ。「本音でぶつかって誤解が解けたり、理解が得られたりすると、逆に応援していただけたり、融通を利かせたりしていただけることもあるのが、この業界の不思議なところでもあります」と村瀬氏は話す。

また、村瀬氏は、会社で何も言わずに一緒に業務をしてくれる部下にも感謝しているという。「人それぞれの個性を大事にすること、一人では何もできないのでお互いを大事にすること、しっかりと助け合うこと」を何よりの社是としている。

「子ども達にしろ、エネルギーにしろ、その『多様性』というものを考えてきたとき、個性を出しづらい世の中を何とか変えたいという思いが常にありました。まずは社内から、そして社会を変えていきたい」という村瀬氏。グループ事業として保育を行っているのも、働き方の多様性について社として何か貢献したいという考えがあるからだ。

事業ともに地域社会への貢献も

現在村瀬氏は、社員とともに事業を進め、長野県で有数の規模の太陽光発電所を手掛けている。国で行われている再生可能エネルギー固定価格買取制度も追い風となり、企業での導入例も多い。特に飲食業界において、昨今の食料品の原材料費の高騰などで、その分の補填のために太陽光発電を導入した企業もあるという。

太陽光発電は、自然をエネルギーに利用するため環境にやさしいという側面がある一方で、発電所開発自体は山林伐採など環境への負荷もある。それに伴う地域住民の不安もやはり大きいという。そのため、同社は提携している造成工事業者と協力し、環境への負荷を最低限に抑えていくことを忘れない。また開発のなかで、自治体に寄付をしたこともある。「地域の方が長年困っていることについて、私たちにできることであれば協力をして、それが解消できれば事業とその両方で地域社会へ貢献できるのかなと考えています」と村瀬氏は語る。

村瀬氏の原動力は「自分が面白いと思ったことを突き通すこと」。何より「一番人が嫌がるようなところや、難しい案件については逃げずにしっかりと向き合うことで、なかなか今まで難しかったものなどを案件化にこぎ着けるなど、できなかったものを形にできる」という挑戦の姿勢を忘れないようにしている。村瀬氏によると「壁にぶつかったときこそ何が問題なのかを考え、実行してはまた壁にぶつかって、一歩一歩進めていくことが成長につながります」とのこと。その姿勢にこそ、社員をはじめ周囲が付いてきてくれるのだろう。

「自然エネルギー事業は、発展しているようで実は発展しきれていない部分があるということがわかってきています。その部分に注力して今後もやっていければと考えています」太陽光発電だけに現在は注力しているが、風力やバイオマスなど、さまざまな種類の発電方法がある。風力発電など一社だけでは開発が難しいというものの「いろいろな企業様と提携して今後手掛けていきたいと思っています」と村瀬氏は語った。

村瀬元気

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株式会社CHANGEエネルギー
代表取締役村瀬元気
1995年生まれ。愛知県出身。22歳の時に大学を中退して太陽光業界の会社に入社。その後、約4年間かけて事業の大枠を学び、2022年に独立し株式会社CHANGEエネルギーを設立。グループ会社に保育やアパレル関連企業を立ち上げる。