[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

地域の活性化を図り、患者のQOL向上を高める美容クリニック

THE FIRST CLINIC
院長
惟村公郁
KOREMURA_MASAFUMI

2023年3月、東京・多摩ニュータウンの中心地域に位置する多摩センター駅すぐそばに、美容クリニック「THE FIRST CLINIC」がオープンした。院長は、同クリニックの近くにある格闘技ジムにも所属し、アマチュアの柔術・総合格闘技選手としても活躍している惟村公郁氏だ。「子どもの頃は、なりたくない職業第1位が医者でした」と語る同氏は、どのような経緯を経て、美容クリニック開設にまで至ったのだろうか。惟村氏に、クリニック開設までの経緯や経営にあたり大切にしていること、今後の展望などについて話を聞いた。

「前向きな気持ちになるお手伝いをしたい」と
美容医療の世界へ

子どもの頃は、なりたくない職業No.1が医者だったという惟村氏。改造人間の仮面ライダーV3が好きだったこともあり、昔から生体工学に興味があったそう。しかし、「人体を扱うために、まずは人間の身体の仕組みを理解しよう」と考え、北里大学医学部に入学し、医師の道を歩み始める。北里大学病院にて2年間の研修後、もともと「“人間の神経”と“機械”をリンクさせる研究をしたい」と考えていたこともあり、専門は脳神経外科を選択した。

脳神経外科で実績・経験を積んだ後、惟村氏が次のステージに選んだのが美容医療だ。美容医療を選んだ理由の一つが、「人が前向きな気持ちになるお手伝いをしたい」という思いだった。自分の施術によって、患者さんがきれいになり、笑顔が増える...そんな美容医療の力に魅力を感じたという。

そして、惟村氏は2022年2月より大手美容外科に入職し、休日出勤も駆使して、二重手術を含む多様な手技を獲得していく。同年中には世界美容外科学会の専門医を取得し、2023年3月に、地元に近い東京都・多摩市において「THE FIRST CLINIC」をオープンさせ、独立を果たした。

ときにライバルを紹介してでも、患者さんのQOLを高めることを優先する

THE FIRST CLINICの特徴は、患者さんのQOL(=Quality of life:クオリティ オブ ライフ)に寄与する姿勢が強いことだ。患者さんのQOLを向上させるために、「うちよりも適当なクリニックが他にある」と考えた場合には、惟村氏はライバルでもある他の美容クリニックを患者さんに紹介することもある。こうした紹介行為について、知り合いの医師からは「考えられない」と言われているそうだ。

また、THE FIRST CLINICでは、診療科目も自由診療である美容医療の領域だけでなく、保険診療の領域もカバーしている。これは人の身体を扱う一人の医師として、ときに美容医療の領域外に関する課題も持つ患者さんのQOLも向上させたい、という惟村氏の強い意志に由来している。

さらに、惟村氏は「個人差」という言葉に逃げない。例えば施術後、どうしても肌が腫れる人と腫れない人とがいる。ここで惟村氏は「個人差だから」という言葉で思考停止をせず、「なぜこの患者さんは腫れて、この患者さんは腫れないのか」と原因を追究する。つまり、自身の技術研さんを通じた、患者さんのQOL向上に努めているのだ。

経営においては、地域とWin-Winになれる「地域の活性化」を重視

施術にあたり、惟村氏が意識していることの一つが、患者さんの話をよく聞くことだ。当たり前かと思われるかもしれないが、できている医者はそう多くない。惟村氏がこのことを意識するようになったのは、格闘技でのとある経験がきっかけだ。「自己流でやっていたがために全然上手くならなかった打撃ですが、『一度、トレーナーの話を聞いてみよう』と切り替えてからは、すぐに上達しました」と語る。この経験を通して、身に染みて人の話を聞く重要性に気付いたそうだ。

経営という少しマクロな視点では、地域の活性化を重視している。ビジネスのベースは人とのつながりにあり、とくに身近な地域の人々とWin-Winの関係になることで、クリニック運営にも好影響があると考えているためだ。

例えば、近くの仲の良いクリニックには、THE FIRST CLINICのパンフレットを置いてもらっている。無料でできる、ちょっとした宣伝だ。逆に、惟村氏が地域の業者同士をつなぐこともある。患者さんにおいしいお店を聞かれたら、仲良くさせてもらっている飲食店を紹介するという。まさに互いがWin-Winとなる地域活性化の取り組みといえる。

今後の展望について惟村氏は、「THE FIRST CLINICを日本一の美容クリニックにしたい」と語る。そのために今後、スタッフ採用や分院展開などの規模拡大も想定している。惟村氏は一つ決めていることがある。それは「トイレ掃除は自分の仕事」ということ。その理由を、「肩書が上の人間ほど、肩書が下の人間を理解する必要があります。だからこそ、一番汚いトイレは肩書が一番上の院長である私の仕事なんです」と語る。

また、惟村氏は医療従事者の独立を支持するクリニックでもありたいと考えている。「本当に仮にですが、美容医療の技術を盗みに来た独立志望の同業が来院されたとしても、その方を応援したいと思っています。その方と連携することで、地域に何かしらの還元ができるかもしれませんしね」と惟村氏。併せて、独立をサポートした結果として生まれた絆は、お金には代えられない価値があるとも考えている。

さらに惟村氏は美容医療領域にとどまらず、政治家への転身も視野に入れている。日本が大好きだからこそ、夢が持てる日本をつくりたいと考えているためだ。美容医療を始めた「前向きに生きるお手伝いをしたい」という思いを、惟村氏は国政の場でも実現しようとしているのだろう。

惟村公郁

RECORD

THE FIRST CLINIC
院長惟村公郁
北里大学医学部を卒業後、北里大学病院にて2年間の研修を経て、脳神経外科に入局する。2019年より、北里大学メディカルセンターにて救急科およびコロナ病棟医の兼業を行う。2022年2月より、大手美容外科に入職。同年、世界美容外科学会の専門医を取得する。2023年3月、多摩センター駅すぐそばに「THE FIRST CLINIC」を開設。