[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

アイデアとコミュニケーションで 企業と生活者に成長と幸せを築く

Owl Plus Partners株式会社
代表取締役社長・CEO・World Stimulator
北島広宣
KITAJIMA_HIRONOBU

北島広宣社長のビジネスへの思いを知るには、「Owl Plus Partners」という社名を紐解かなければならない。まず「Owl(フクロウ)」は西洋で知恵の象徴であり、北島社長がかつて在籍した世界初の広告代理店、ジェイ・ウォルター・トンプソンのマークが、フクロウがランプを持って人々を導いていくデザインになっており、それに感銘を受けたことが原点にある。 さらに「Partners」には、単なる業者ではなく、コミュニケーションのエキスパートとして、クライアントの戦略フェーズから一緒に仕事し、共に事業を伸ばしていくパートナーであるという思いが込められていると話す。

コロナ禍でピープルファーストへ

そんな北島社長が2022年1月に同社を設立した背景には、デジタルの急速な進化とコロナ禍により、企業がビジネスモデルの変革を求められ、人々の生活も一変したことがあるという。「コロナ禍でリアルファーストがデジタルファーストに変わりましたが、企業が本当に考えなければならないのは社員も含めた生活者を大切にするピープルファーストです。その中で私は、さまざまなアイデアによって企業の成長と生活者の幸せを築き上げたいと考えました」と振り返る。

具体的には、顧客企業の立ち位置をデジタルツールなどにより可視化し、進むべき方向性についてコンサルティングを行っている。その中では、製品開発においてもコミュニケーションづくりにおいても、特に重視しているのがアイデアだ。

また、これまでの国内外での豊富なキャリアと人脈により、日系企業の世界進出やグローバル企業の日本進出のサポートを行っている。「今もちょうど、日本を成長戦略に必要なマーケットと位置付けている外資系のソフトウェア開発企業をサポートし、デジタル犯罪や有害なサイトから利用者を守ることを、ソフトを提供する側からコミットするビジネスモデルの開発に取り組んでいます」と紹介する。

ミレニアル・Z世代の「感性・感度」を経営戦略に

そうした国内外の企業にコンサルティングできるのも、ボトムアップ型で意思決定をする日本企業と、トップダウン型で意思決定をする海外企業の双方を熟知しているからだ。もちろん、どちらが良い悪いではなく、「例えば日本のブランドなら、製品の精密さ、安全・安心など良いところが数多くあり、それを海外のニーズにうまく融合させて世界のマーケットに送り出したいのです。日本ならではの『わびさびの心』といったことのブランド化も魅力的です」と熱く語る。肩書に「World Stimulator(世界に刺激を与える者)」と入れているのもそのためだという。

ただし、WEB3・0などによる新たなビジネスモデルを構築する上では、大きな課題もあると指摘する。「それは、従来とは全く異なるジェネレーションギャップがあることです。アナログからデジタルへの変遷を見てきた世代と、生まれながらデジタルに囲まれて育ってきたミレニアル世代やZ世代では、その感性と感度のギャップが埋まらないのです」という。では、どうすればいいのか。それは「下から学ぶこと」だと北島社長は明言する。

つまり、大胆な変革を起こすには、デジタルが当たり前で育ってきているミレニアル世代やZ世代の「感性・感度」が経営戦略の中心でなければならないというのである。そのために大事なのが、彼らが自分たちの会社を成長させるための場をつくることで、「ヒエラルキーを超えて常に会社の成長のためにアイデアを出し合う。そんな日本企業が増えていけば、課題を発見してそれを解決するデザインシンキングが企業内で活発になり、インキュベーションや働き方改革が進み、世界は再び日本というブランドに注目するでしょう」と強調する。

世界をターゲットにどう成長できるか

それらの企業に対し、社名のとおり、フクロウがランプを持って進むべき道を照らすように導いていきたいという北島社長の座右の銘は「大人たれ」だ。それは父親からもらったという言葉で、「私自身は、困った人がいたら助けるのが『大人』だと解釈しました。それが私の源泉になっています」。ビジネスにおいても、困っている企業に対し手を差し伸べ、きちんとソリューションまでコミットし、結果が良くなかったらその原因まで話し合う。そういうパートナーでありたいと北島社長は思いを込める。

そんなパートナーとしての、北島社長の顧客企業への質問は、「皆さんは人々を幸せにしていますか」と極めて単純だ。そして、「自分たちの作った製品が世界で喜ばれるために、一緒に新しいアイデアを作りませんか」と行動を促すのだ。それに応える熱意を持った経営者に対し、モノづくりからコトづくりにトランスフォームして、世界をターゲットにどう成長できるかという情報を、さまざまな角度から発信・提供し、共に成長を目指していくのである。

今後に向けては、ミレニアル世代から本当に強いリーダーをつくるような活動をしたいという北島社長。「その世代に、アイデアとコミュニケーションがいかに大事か、人と生きていくというのはどういうことなのか、時代に合わせた形で発信し続けていきたい。コミュニケーションの創造は、私たちを未来につなぐカルチャーを創造することですから」と前を見据える。それが、とりもなおさず企業の成長と生活者の幸せにつながっていくのだろう。

国内外のさまざまな企業やそこに働く人のために尽力する、現在のビジネス自体が社会貢献といえるが、特に今閉鎖的になりがちな日本を、コミュニケーションによってオープンにすることも自らの社会貢献だと話す北島社長。「経営者の皆さんには、企業の存在意義は生活者を幸せにすることだと改めて伝えていきたい。それが自分にとっての社会貢献でもあります」と話し、それによって共に成長し、誰もが共生できる社会をつくっていきたいと語る。

北島広宣

RECORD

Owl Plus Partners株式会社
代表取締役社長・CEO・World Stimulator北島広宣
中央大学商学部卒業後印刷会社から博報堂LINTASに出向常駐を経て2001年転職。広告業界のキャリアスタート。2006年博報堂に転籍。2009年外資系WPPグループJWTへ転職。入社3年後にMD昇進。海外の最先端のマネージメントスキルを習得する。2019年WundermanThompsonTokyoの初代CEO就任。2022年1月に独立し現会社を設立。