[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

人とのつながりを武器に、唯一無二の領域に挑戦し続ける

JCAホールディングス株式会社
代表取締役
福家
FUKUIE_TAKASHI

国内のほか、アメリカや中国など海外にも拠点を構え、人材事業や貿易事業、インフラ整備といった幅広い事業を展開するJCAホールディングス株式会社。一貫して取り組んでいるのが「サービスにプラスワンの付加価値を創出すること」。推進力となっているのが、代表取締役の福家貴氏が築き上げてきた人的ネットワークだ。ビジネスにおいて「人が一番大事」と語る福家氏に、これまでの歩みと今後の展望を聞いた。

Win-Winの関係をつくる「プラスワン」

同社のメイン事業は人材事業だ。印刷業界や食品加工業界、不動産業界など、多種多様な業界に対し、業務の委託・請負から、人材の派遣・紹介までを手がける。人材は日本人のみならず、近年では外国人の採用にも取り組んでいる。

同社の強みを、福家氏は「プラスワンの付加価値を生み出せること」と話す。例えば、取引先が運営する店舗での商品の売れ行きが伸び悩んでいるという話を聞き、ECサイトでの販売を提案。サイトの構築を支援し自社で運営し販売に繋げている。また、人材を派遣している食品加工会社から「海外にマーケットを拡大しつつあるが、中国本土にはまだ進出できていない」といった相談を受け、中国進出をサポートしたこともあった。経済成長期の中国移住でリアルとITを組み入れたマーケティングを実践し、中国を始めとする海外人脈を構築出来た事で、他社とは違うサービスを提供出来るようになり、それが現在の「人材+1」のサービスを生み出している。

いずれもこの話は担当者同士の雑談から発展したとし、福家氏は「人材を派遣して終わりではなく、派遣後も話を聞き出せばまだまだたくさんのニーズを掘り出せます。JCAホールディングスに人材の紹介を頼めば、別の業務の相談に乗ってくれる。そんなふうにお客様に思ってもらうことが、Win-Winの関係性につながると考えています」と語る。

一瞬のひらめきと行動力で、初めて中国へ

単なる人材事業にとどまらず、ときにはクライアントと共同事業まで展開するなど、プラスワンの付加価値を提供し続ける同社。その背景について「中国との強固なネットワーク、国内大手企業とのつながりが、同業他社にはない提案力につながっている」と説明する福家氏。

福家氏は独立して約15年後の2002年、まとまった休みが取れたため海外旅行をすることにした。「行き先は決めていませんでした。なんとなく成田空港に行って時刻表を見ていると、上海の2文字が目に入りました。中国語はわからないけど、漢字の国だからなんとかなるだろう。そう思い、チケットを買いました」。一瞬のひらめきと行動力で、初めて中国に旅立った。

もちろん、同じ漢字だからといって、日本語と中国語は同じではない。福家氏は「タクシーの運転手さんの言葉がまったくわからなかったり、飲食店で注文したら予想と全然違うものが出てきたり」と振り返る。それでも、急速な経済成長を遂げる中国に「ここで何か、おもしろいことができそうだ」と直感した福家氏は、中国にマーケティング会社を設立。以降、2002年~2009年まで上海に移住し、日本の大手加工食品メーカーや大手飲料メーカーの中国への販路拡大を支援してきた。これらのネットワークが、現在の「JCAホールディングスならではのサービス」につながっている。

これまでの人脈も活かし、外国人人材の現地教育に注力

そんな同社が力を入れているのが、外国人人材の現地教育だ。すでに当社では外国人人材の採用に積極的で、4ヶ国の約50名の雇用を後押ししてきた。受け入れ企業のニーズをくみ取り、最近ではネパールやベトナムの学校と直接契約し、日本語教育や実務教育を行っている。日本語のみならず、受け入れ企業が求める実践的なスキルまで現地で教えることが特徴だ。外国人人材が日本で働き始めるころには、即戦力として活躍できる状態になっており、受け入れ企業の育成コストの削減、業務効率の向上に貢献しているという。

今後は現地教育の範囲を別のアジアの各国にも広げていく予定だ。候補の一つとなっているのがウズベキスタン。その理由について、福家氏は「実は、中国の知り合いからリクエストがあったのです。ウズベキスタン人の海外就労を支援する知人から、ウズベキスタン人の日本就労を手伝ってほしいと連絡がありました」。ここでも福家氏の中国での人脈が活かされている。

人とのつながりを強みに、国内外に事業を展開し、創業から約40年走り続けてきた福家氏は「経営において大切なのは、やはり人です。人間は誰しも長所・短所がありますが、私は基本的に長所しか見ないようにしています。短所は責めるものではなく、各々が協力して補うものだと思いますから」と語る。その視線は社内にも注がれており、今後はスタッフ一人ひとりの長所を活かしたスキルアップ体制を構築していく予定だという。

これだけ長く経営を続けていると、現場から切り離された場所で仕事をしていそうなものだが、福家氏は今でもビジネスの現場に身を置いている。ベトナムなど海外にも足を運び、担当者と直接顔を合わせて契約を取り付けているという。日頃は国内・海外を飛びまわっており、取材した当日は一時的に東京にいるとし「東京にいるのはレアですね」と笑う。突然上海に飛び立った2002年から、フットワークの軽さは変わらない。これからも人とのつながりを大事に、同社だからこそできる「人材+1」のサービスを展開していく。

福家貴

RECORD

JCAホールディングス株式会社
代表取締役福家貴
1987年にJCAホールディングス株式会社を設立。その後国内外にグループ会社を持ち、人材事業をメインに幅広い事業を展開し、2012年にホールディングス化。