[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

投資を「学び」で終わらせず、実践できる人を増やしたい

お金と時間の学校®
主宰
雨谷
AMAGAYA_RYO

大手銀行や証券会社で数々の経験を積み、現在「お金と時間の学校®」を運営している雨谷亮氏。自身が投資を学ぶ場に参加する中で「学ぶだけで終わる人が多いもったいなさ」を感じたことを機に、フルオンラインで投資について学び、実践できるようになる場を提供し始めたという。その特徴は、投資の知識やノウハウと同じくらい、投資始めて続けられるマインド作りにも重きを置いていることだと語る雨谷氏。お金の教育にかける思いと今後の展望について聞いた。

社長の一言が投資への向き合い方を変えた

青山学院大学の理数系学部出身の雨谷氏が、ファーストキャリアとして選んだのが大手都市銀行だった。文系学部ならメジャーなキャリア選択の一つである銀行を選んだ理由について、雨谷氏は「大学を出たての若造でも、一対一で経営者の方とダイレクトに話せる機会を持てることに惹かれました。経験豊かな経営者の方々と数多くの接点を持てること、この緊張感が自分自身の刺激になり、そこに面白さを感じました」と説明する。

念願かない、上場企業の社長を含む何百人もの経営者と相対する経験を積んだ雨谷氏。本題である融資以外の世間話をする機会にも恵まれたという。

「大学時代から投資をしていたのですが、当時はまだそこまで知識をしっかりと身に付けていませんでした。とある社長からは『投資をするならきちんと学ばなければダメだよ』と指摘され、アドバイスもいただきました。そこから学びの場に出向くなど、本格的に投資に取り組むようになりました。経営者の方から世間話として聞く話は、20代の私にとって学びとなるものも多かったですね」

「教えるのが好き×学びだけで終わらせるのはもったいない」が、お金と時間の学校®を生んだ

約5年後、雨谷氏は証券会社に出向。そこで、銀行時代との文化の違いに衝撃を受けたと語る。

「銀行時代、資産形成はオープンに語られる話題ではありませんでした。しかし、証券会社には堂々とフラットに自分の資産形成について話す文化がありました」
銀行では定年退職まで勤め上げる人が多いことに対し、証券会社にはキャリアアップのための転職や独立をする人がいたことも、雨谷氏に影響を与えた。当初は40歳ごろを目安にセカンドキャリアを考えていたというが、証券会社から銀行に戻ってきたことで、その時期は大きく早まる。

「銀行に帰任後、営業本部の配属になりました。キャリア的には非常に名誉のあるものでしたが、私の場合はやりがいを見出すことができなかった。銀行員として登れる山の天辺が垣間見えてきたことで、『あ、どうやらこれは登りたい山じゃなさそうだ』と気付いたのです」
そんな雨谷氏が次のキャリアを考える中で思い至ったのは「教えるのが好き」という性格と、自身が投資を学びに行った際に感じた思いだった。
「学んだだけで終わってしまう人の多さを目の当たりにし、学んだだけでは何も変わらず非常にもったいないと思いました」

まずはマインド面を整えること。それが投資を続けていく近道となる

Fintech系ベンチャー企業を経て独立した雨谷氏。開始は2020年10月とコロナ禍の真っただ中だったが、オンラインをベースとしたため悪影響を受けずに済んだという。受講生は男女を問わず、投資を考える余裕のある30代〜50代の年齢層が中心だ。中には70代の受講生もいるという。

「むしろコロナ禍があったからこそ、幅広い年齢層の人がオンライン講座を受けてみよう思ってくれたのだと思います。今でこそzoom会議などが当たり前になりましたが、コロナ前だとほとんどの人にもってのほかだと思われたでしょうね」

雨谷氏の講座の特徴は、投資を続けるにあたってのマインドセットを学ぶ部分にあり、「ノウハウやテクニックと同じくらい大事」と雨谷氏は語る。「早く手法を教えて欲しいと言われることもありますが、本当に投資で大切なのはマインド面。遠回りをしているようで近道ということを大切にしています」

受講生とのつながりは終了後もずっと続く。「一生の付き合いになるつもりでやっている。裏テーマは『投資仲間を増やしたい』なのです」と雨谷氏。そうした仲間と共に、「いずれは子どもに対するお金の教育事業にも取り組みたいと思っています」と語ってくれた。

カリキュラムの最後には、「たかがお金なんですよ」と受講生に伝えていると語る雨谷氏。人生においてより大切なのは時間であり、その時間を最大限に有効に使うことこそが重要だというのが雨谷氏の想いだ。お金は、その手段の一つに過ぎない。

「投資を学びで終わらせずに実践し続けていってほしいと願うのは、資産があれば、自分のやりたい事をやりたいと思ったときにできるだけ早く挑戦できるからです」とも雨谷氏は語る。大手銀行を辞め、独立という大きな一歩を踏み出せたのは、それまで続けてきた投資による資産があったからだ。日本人はお金の話をすることにネガティブな印象を持ちがちだが、「お金があることでかなうことはある」と雨谷氏。投資のスキルは汎用性が高く、コツコツ続ければ結果が出る。だからこそ、「お金や投資に対するこれまでのイメージ、価値観をほぐしたいのです」と語る。

お金の教育が注目され、さまざまなサービスが出てきている現在について、雨谷氏は「すごくいいなと思う」と好意的だ。「僕は僕で、できることをやっていきたい。誰かにとって、お金に向き合う一つのきっかけになったらいいですよね」と笑顔で締めくくってくれた。

雨谷亮

RECORD

お金と時間の学校®
主宰雨谷亮
青山学院大学卒業後、三菱UFJ銀行に入社後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向、M&Aアドバイザリー業務に従事し、さまざまな形態の企業統合案件を執行。三菱UFJ銀行に帰任後は営業本部の法人営業に従事。同社退職後、Fintech企業を経て、金融教育事業「お金と時間の学校®」をスタート。